Naviga は、投資家の主導で、ニュース メディア向けのテクノロジーを扱う世界各地のさまざまな企業が統合を繰り返すことで生まれました。そのため、幅広い機能が揃っていますが、雑多な印象もあるツールセットになっています。
- Naviga「Content Platform」は、デジタル向けの使いやすい最新式のコンテンツ マネジメント システム(CMS)ですが、(ウェブサイト管理ではなく)編集環境に重点を置いており、印刷ワークフローに組み込むのは難しい場合があります。
- より汎用性が高い Naviga「Content Engagement Platform」には、企業統合で取得したさまざまなツールが揃っており、ニュース メディアが求めるほぼすべての領域に対応できる自動化機能がありますが、多数のソリューションが分断された状態で実装されています。
- そのため Naviga は、デジタル ファーストの理念を掲げながら、印刷媒体も依然として重視しており、デジタル CMS、広告オペレーション、購読管理のソリューションを 1 つのプロバイダに一元化したいと考えているニュース メディアに最適です。あるいは、構成を変更しやすい環境で、Naviga の特定のソリューションだけを選んで使用したいと考えているニュース メディアにも適しています。
- The Washington Times(米国)、Telegraph Media Group(イギリス)、The Independent South Africa などが顧客に名を連ねています。
対象顧客
Naviga Content Platform は、大規模な独立系ニュース メディアやチェーン展開している中規模ニュース メディアのうち、デジタル ファースト戦略に移行した一方で、引き続き印刷業も並行して運営していく必要がある会社に適しています。また、より汎用性が高い Naviga Content Engagement Platform(Ads や Audience Engagement など)をすでに導入しているニュース メディアにも適しています。
概要
メインの対象顧客
大規模ニュース メディア
次点の対象顧客
チェーン展開している中規模ニュース メディア
特に力を入れている地域
グローバル
サポート受付時間
重大な問題やインフラストラクチャの問題のサポートについては 24 時間 365 日
ユーザー インターフェースの対応言語
英語、スウェーデン語
サードパーティによる言語サポート
利用不可
ライセンス モデル
指定ユーザー数に基づく階層型の価格設定
ソリューションの概要
Naviga Content Platform は、主に記事コンテンツの作成を支援するプラットフォームです。一方の Naviga Content Engagement Platform は、購読者や広告を管理するためのツールが追加で備わっています。
基盤テクノロジー
ホストに AWS、コンテンツ リポジトリと API に SOLR、インターフェースに React を使用
クラウドモデル
SaaS
本社
米国、ブルーミントン(ミネアポリス)
従業員数
600
顧客の評価
- コンポーネント型のコンテンツ モデルになっているため、デジタル ニュース メディアにとっては汎用 CMS よりも使い勝手がよい
- 編集作業向けの機能が使いやすく、トレーニングも不要
- 非常に手早く導入できる
- ポートフォリオ全体で、ニュース メディア向けに非常に幅広く高度な機能を提供している
- 検索や外部ソースの取り込みに時間がかかり、編集者が作業中のコンテンツを見つけにくい
- Naviga Photos のアセット管理にごく基本的な機能しかなく、高解像度のプレビューも確認できない(印刷媒体の場合は重大な問題)
- 印刷プロセスの自動化機能が不完全
- 利用者は Naviga のさまざまなソリューションの中から適切なものを選び出すのに苦労している。多数のツールが組み合わせられているため、ポートフォリオ全体を管理していくのが難しく、多くのリソースが必要になる
背景
Naviga は、ソフトウェア業界におけるいわゆる「統合」を経て生まれました。ここでの統合とは、一種のスイートを構築することや、選択肢を増やすこと、あるいはサービスを提供する地域を広げることを目的として、複数の企業が融合して 1 つのプロバイダになることを指します。統合は 2013 年から始まり、このときに投資会社の Vista Equity Partners が Saxotech(スウェーデン)と DTI(米国)を買収して統合し、Newscycle という会社を作りました。この Newscycle が 2019 年に Naviga Global に改称されています。その後の数年で、Naviga は読者管理や購読管理、広告管理、コンテンツ管理などのツールを扱うさまざまなプロバイダを買収していきます(再度の分社化もありました)。2021 年には、別の大規模統合企業である Miles 33 も買収しました。
ここで特に重要なのは、Naviga が買収した Infomaker(スウェーデン)です。これが現在の「Naviga Content Platform」の土台になりました。Naviga の本社は現在、米国のブルーミントン(ミネアポリス)にあり、北米、ヨーロッパ、インド、オーストラリア、シンガポールに複数のオフィスを構えています。
より汎用性の高い Naviga Content Engagement Platform(若干わかりにくですが、これに CMS の Content Platform も含まれています)は、各種ツールが分断されて組み込まれており、まとまりのあるスイートに統合されているわけではありません。ツールごとにインターフェースや使い勝手が異なります。そうしたツールは、さまざまな企業を買収した結果として追加されており、その中には最近追加されたばかりのものもあるためです。
長所はカバーしている機能が非常に幅広く、かなり高度なものもあるという点です。たとえば Naviga Ads は、(印刷媒体の)広告管理を行うための非常に包括的なソリューションで、見込み顧客管理からプロポーザル、CRM、プランニング、さらには会計の機能も組み込まれています。同様に、「Audience Engagement プラットフォーム」も顧客データ プラットフォーム(CDP)のような機能やペイウォール関連の機能が揃っており、Naviga が販売している購読管理ツールの中から好きなものを選んで複数導入することもできます。短所はもちろん、各種ツールを統合し、一貫したスタックやカスタマー エクスペリエンスを創出することが非常に重要であるにもかかわらず、そのためには膨大なカスタム統合の作業が必要になるという点です。
Naviga Content Platform(前身は Infomaker)は同社のヘッドレス CMS です。このプラットフォームは SaaS 型で、AWS にホストされています。インターフェースは React を使用して構築されており、コンテンツの保管、検索、取得には SOLR を使用しています。編集者は主に Naviga Writer を使用します。Naviga には、編集作業のプランニングや共同作業用の Newsroom Planner と Publication Planner というツールもあります(これらのツールをもとに、Writer を開いて担当作業を行います)。
コンテンツには API を介してアクセスできます。また、サイトのフロントエンドを自分で構築することも、WordPress を基にパッケージ化されたフロントエンドである Naviga Web を使用することもできます。なお、WordPress は実際にはコンテンツの作成や管理に使用するのではなく、ページやサイトの管理ツールとして使用する点にご注意ください。
そのため、Naviga インターフェース内では、レイアウトを細かく管理することはできません。記事は「リスト」に追加されてから、ウェブページやモバイル インフェースに挿入されるか、印刷用に PDF としてエクスポートされます。印刷プレビューはウェブ インターフェース内で確認できますが、生成にある程度の時間を要します。記事をコピーし、編集して印刷用の「リスト」に追加すると、それが原因で記事の印刷版とデジタル版で差異が生じることが少なくありません。
Naviga Writer は比較的モダンなツールで、インターフェースは整理されています。コンテンツはコンポーネントとして扱われます。ギャラリーや YouTube 動画などの他のさまざまなメディアを記事内にドラッグしたり貼り付けたりすることもできますが、コンポーネント型の他のインターフェースと異なり、別個のテキストの段落で記事を構成するために編集者の負担が過度に大きくなることはありません。ただ、コンテンツのさまざまなバージョンを作成する機能はそれほど優れていません(印刷版や複数のエディションの作成など)。Naviga はコンテンツ モデルでそうした作業に対応するのではなく、シンプルにコンテンツをコピーして修正を加えることを推奨しています。Writer 用のプラグインも開発できます。すぐに使えるプラグインの例としては、メディア管理を簡略化できる Naviga Photos が挙げられます。さまざまなニュース メディアも、この方法で独自の統合機能を開発しています。
Naviga は Content Platform のコア コンポーネントとプラグインの両方を継続的にアップデートしています。そのため短期のロードマップは「大がかりな」新規リリースの計画表ではなく、今後の改良点をまとめたものと言えます。たとえば、UX の統一感の向上、コンテンツ ソース(ワイヤー サービスなど)、データ、指標のオプションの拡充、印刷作業の自動化などが重点領域になっています。
Naviga Content Platform 自体には十分な統一感がありますが、より汎用性が高い Naviga Content Engagement Platform は追加されるツールの数が急増しているため、シームレスなユーザー エクスペリエンスは期待できません。特に Naviga の他のシステムを追加する際の導入プロセスに難があります。
さまざまなコンテンツ モジュールを取捨選択できる販売モデルになっているため、こうしたソリューションに詳しく、自社のニーズに合ったツールを選別して導入したいと考えているニュース メディアにとっては、柔軟性が高いと言えるでしょう。一方、多種多様なソリューションが詰め込まれているため、より包括的で「すぐに使える」ソリューションを求めている中小規模のニュース メディアにとっては、非常にわかりにくくなっています。導入を検討している方に特に把握しておいてほしいことは、Naviga は積極的に買収を行ってきた歴史があるため、同じタイプのサービスでも、地域ごとに違うツールセットを販売するという点です。
パッケージのスコープ(ベンダーの報告に基づく)
コア プラットフォーム - 製品にバンドルされているプラットフォーム(はい / いいえ / ベータ版) | アドオン(はい / カスタム / サードパーティ) | |
---|---|---|
コンテンツのライフサイクル: 作成 / 分類 / 編集 / 承認 / 公開 / 別の用途に利用 / アーカイブ / 破棄
|
はい
|
|
基本的なデジタル / 音声 / メディア アセット管理
|
いいえ
|
サードパーティ
|
印刷出版をサポート
|
はい
|
|
シンプルな SNS 上の再公開
|
いいえ
|
サードパーティ
|
オプションのモジュール: フォーム / アンケート / ソーシャル ウィジェット / その他
|
いいえ
|
|
コネクタ ライブラリ(OOTB コネクタ、API など)
|
はい
|
|
バンドルされた CDN(DDOS 対策機能を含む)
|
はい
|
|
ユーザー登録
|
はい
|
|
定期購読管理およびフルフィルメント - デジタル
|
はい
|
|
定期購読管理 - 印刷
|
いいえ
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|
パーソナライズ
|
はい
|
|
広告管理 - デジタル
|
はい
|
|
広告管理 - 印刷
|
はい
|
|
モバイルアプリ管理
|
はい
|
|
サイト検索
|
はい
|
|
コンテンツと割り当てのプランニング
|
はい
|
|
動画管理 / OVP
|
いいえ
|
サードパーティ
|
音声管理 / ポッドキャスティング
|
いいえ
|
サードパーティ
|
データの可視化
|
いいえ
|
サードパーティ
|
個人広告
|
はい
|
|
コメント入力 / コミュニティ機能 /
|
いいえ
|
サードパーティ
|
ニュースレターの作成と管理
|
はい
|
|
通知とアラート
|
はい
|
|
A/B テスト
|
いいえ
|
サードパーティ
|
SEO
|
いいえ
|
|
変数の継承による複数タイトル管理
|
はい
|
|
複雑なレイアウトとサブサイト / サブセクションのクローン作成
|
はい
|
|
AR / VR 拡張サービス
|
いいえ
|
|
一般公開ドキュメント
|
はい
|
|
オンライン ユーザー / パートナー フォーラム
|
いいえ
|
|
定期的なユーザー グループ ミーティング
|
はい
|
|