長年にわたって InDesign ツールとパブリッシング プラットフォームの開発を手掛けてきた同社は、最近の企業売却と再編を経て、今後も変化が予想されます。
- デジタル媒体に関しては、「ヘッドレス」型のコンテンツ マネジメント システム(CMS)と、それとは別のデジタル アセット管理(DAM)モジュールを提供しています。
- WoodWing は、デジタル ファーストの方針を掲げつつ、印刷媒体の出版物も引き続き複数手掛けており、印刷の費用対効果を高める必要があるニュース メディアに最適です。
- Der Spiegel(ドイツ)、DPG(ベルギー、オランダ)、Hearst Magazines(米国)、BuzzFeed(アセット管理に利用)などの顧客が存在します。
対象顧客
WoodWing は、多数の印刷媒体の出版物を収益源とする大規模ニュース メディアに適しており、デジタル媒体と印刷媒体を行き来するワークフローの最適化とコストの削減をサポートします。一方、デジタル フロントエンドの構築と管理を行えるインテグレーターがおらず、社内リソースもない中小規模のニュース メディアにはあまり適していません。
概要
メインの対象顧客
チェーン展開している中規模ニュース メディア
次点の対象顧客
大規模なニュース メディア
特に力を入れている地域
ヨーロッパ、中東、アフリカ、北米
サポート受付時間
24 時間
ユーザー インターフェースの対応言語
チェコ語、ドイツ語、英語、スペイン語、フランス語、イタリア語、日本語、韓国語、オランダ語、ポーランド語、ポルトガル語、ロシア語、中国語、台湾語、フィンランド語
サードパーティによる言語サポート
利用不可
ライセンス モデル
1 か月のアクティブ ユーザー数を基準とするサブスクリプション方式(SaaS)
ソリューションの概要
デジタル ファーストのコンテンツ作成と印刷媒体の統合に力を入れていて、フロントエンドや収益化関連の機能は提供していません。
基盤テクノロジー
PHP、SOLR
クラウドモデル
SaaS またはセルフホスト
本社
オランダ、アムステルダム
従業員数
200 人
- Content Collaboration
- Data Visualisation
- AI Content transformation toolkit
顧客の評価
- ニュース制作向けに最適化された最新式の記事作成インターフェース
- 複数の媒体でコンテンツを共有、再利用できる機能が優れている
- 優れた著作権管理機能を含む優秀な DAM
- 複数の媒体での印刷ワークフローを合理化するのに適している
- 大手メディア企業の利用者は、プラットフォームのさまざまな部分でパフォーマンスの問題が発生しており、現時点では、この問題をクラウド導入で解決するのは難しい
- 顧客からのフィードバックが反映されるのが遅く、「利用者の声にしっかりと耳を傾けていないと思うことがある」という声もある
- 印刷ワークフローの自動化機能は、比較的シンプルなデザイン(地方紙など)の場合は有効だが、雑誌などの複雑な媒体にはあまり適していない
背景
WoodWing は 2000 年にオランダのザーンダムで設立されました。米国とマレーシアにもオフィスを構えており、60 以上の国に顧客がいます(各地域のパートナーがサポートしています)。当初は Adobe InDesign 用のプラグインやツールに力を入れていました。それが年月を経て総合的なデジタル パブリッシング システムに進化し、たとえばiPad にコンテンツを配信(現在は Apple News)したいと考えているメディア企業のサポートなども行っています。マレーシアでは、外部委託の形でパブリッシング サービスも引き続き提供しています。
主要プロダクトは次のとおりです。
- WoodWing Studio(編集環境)
- WoodWing Assets(DAM)
WoodWing Studio を利用すると、「Dossiers」のコンテンツを整理できます。こうしたコンテンツには、記事や画像だけでなく、Word ファイルなどの背景情報ドキュメントも含まれます。WoodWing Studio にはコンポーネント型の記事作成インターフェースがあり、テキストや画像、その他のコンテンツ(引用文など)のブロックで記事を構成します。
WoodWing には、デジタル フロントエンドがない点にご注意ください。そのため、顧客は別の CMS(このガイドで紹介している WordPress や Drupal など)を導入するか、自分でフロントエンドを構築してウェブサイトにコンテンツを掲載するのが一般的です。印刷媒体には、InDesign の統合によって対応できます。ただし、WoodWing は現在、デジタル ワークフローに重点を置いており、印刷媒体は二次要素としてコストと効率重視で最適化されています。
既存の顧客は主にオンプレミスでソフトウェアを実行する傾向がありますが、WoodWing はクラウドや SaaS モデルへの移行を進めています。WoodWing は、同時利用者数に基づく永続ライセンス、同時利用者数に基づくサブスクリプション、月あたりのアクティブ ユーザー数に基づくサブスクリプションを提供していますが、料金については公表していません。
まとめると、このプラットフォームは、印刷媒体の比重が依然として高く、カスタマイズ性の高いウェブ パブリッシング ソリューションへの投資に積極的なチェーン展開している中規模(または大規模)ニュース メディアに最適です。
なお、WoodWing の創業者は 2020 年に、「健全なソフトウェア グループの創出に主眼を置く未公開株式投資会社」である Main Capital Partners に同社を売却しています。この売却が WoodWing の今後の方向性にどう影響するのかを論じるのは時期尚早ですが、その後ドキュメント管理を手掛ける会社と知識管理を扱う会社(Xtendis と Scienta)を買収していることから判断すると、方針が変化している可能性があります。
パッケージのスコープ(ベンダーの報告に基づく)
コア プラットフォーム - 製品にバンドルされているプラットフォーム(はい / いいえ / ベータ版) | アドオン(はい / カスタム / サードパーティ) | |
---|---|---|
コンテンツのライフサイクル: 作成 / 分類 / 編集 / 承認 / 公開 / 別の用途に利用 / アーカイブ / 破棄
|
はい
|
|
基本的なデジタル / 音声 / メディア アセット管理
|
はい
|
|
印刷出版をサポート
|
はい
|
|
シンプルな SNS 上の再公開
|
いいえ
|
サードパーティ
|
オプションのモジュール: フォーム / アンケート / ソーシャル ウィジェット / その他
|
カスタム
|
|
コネクタ ライブラリ(OOTB コネクタ、API など)
|
はい
|
|
バンドルされた CDN(DDOS 対策機能を含む)
|
いいえ
|
サードパーティ
|
ユーザー登録
|
いいえ
|
サードパーティ
|
定期購読管理およびフルフィルメント - デジタル
|
いいえ
|
サードパーティ
|
定期購読管理 - 印刷
|
いいえ
|
サードパーティ
|
パーソナライズ
|
いいえ
|
サードパーティ
|
広告管理 - デジタル
|
いいえ
|
サードパーティ
|
広告管理 - 印刷
|
いいえ
|
サードパーティ
|
モバイルアプリ管理
|
はい
|
|
サイト検索
|
いいえ
|
サードパーティ
|
コンテンツと割り当てのプランニング
|
いいえ
|
サードパーティ
|
動画管理 / OVP
|
いいえ
|
サードパーティ
|
音声管理 / ポッドキャスティング
|
いいえ
|
サードパーティ
|
データの可視化
|
はい
|
サードパーティ
|
個人広告
|
いいえ
|
サードパーティ
|
コメント入力 / コミュニティ機能 /
|
いいえ
|
サードパーティ
|
ニュースレターの作成と管理
|
いいえ
|
サードパーティ
|
通知とアラート
|
いいえ
|
サードパーティ
|
A/B テスト
|
いいえ
|
サードパーティ
|
SEO
|
はい
|
サードパーティ
|
変数の継承による複数タイトル管理
|
いいえ
|
はい
|
複雑なレイアウトとサブサイト / サブセクションのクローン作成
|
いいえ
|
はい
|
AR / VR 拡張サービス
|
いいえ
|
サードパーティ
|
一般公開ドキュメント
|
はい
|
|
オンライン ユーザー / パートナー フォーラム
|
はい
|
|
定期的なユーザー グループ ミーティング
|
はい
|
|